Gの夢
参考文献
2010/06/12  
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   参考文献(1) -- ガロア理論・群論の書籍
・以下、(1)の中は易から難の順に並べています。
 
◆ ガロアと群論 [リリアン・リーバ] {みすず書房}
散文詩の形でガロア理論をうたったという、珍しい形式の本。
文章の量もさほど多いわけでもなく、必要な数式は二次方程式まで。
誰でもすんなり入ってゆける入門書です。
 
◆ アーベルの証明―「解けない方程式」を解く [ピーター ペジック/山下 純一] {日本評論社}
解けない5次方程式のストーリーが、歴史的背景を踏まえて、一般向けに分かりやすく説明されています。
この1冊で「方程式の流れ」がつかめます。巻末にアーベルの原論文が載っています。
 
◆ 数学が育っていく物語 第5週 方程式 解ける鎖、解けない鎖 [志賀 浩二] {岩波}
「解と係数の関係」から「ガロア群」に至るまでの道筋が、しっかりと、ていねいに説明されています。
また、5次方程式の代数的解法の不可能の証明として、クロネッカーの証明が載っています。
ちゃんとした不可能の証明を知りたい、という人にとって、この本にある証明が最も手近なのではないか思います。
この「数学が育っていく物語」シリーズ、タイトルの通り、「育っていく」ような内容の良書です。
 
◆ 群論への30講 [志賀 浩二] {朝倉書店}
群論は何か? それを知るのに、おそらく現時点で最も敷居が低く、入りやすいのがこの本だと思います。
群論といえば、難しい専門書か、さわりだけの啓蒙書しか無い中にあって、
この本のように「中間レベル」を埋める存在は貴重です。
私にとっては、抽象的な群のイメージを思い描く助けになりました。目から鱗です。
 
◆ 数III方式ガロアの理論―アイデアの変遷を追って [矢ケ部 巌] {現代数学社}
ガロアの理論を学ぶために1冊だけ挙げるとするなら、この本になるでしょう。
とても良い本。数III方式というのは、高校生でもわかる、という意味です。
500ページを越える分厚い本ですが、一歩ずつ、地道に読み進めるうちに、
確実に高い地点までたどり着くことができるでしょう。
この本は、おじさんと2人の高校生の対話という形式で書かれています。
(本サイトの、GとAと2人の少女の対話、という形式に似ています。)
現在絶版となっているのが残念です。
 
◆ ガロワと方程式 (すうがくぶっくす7) [草場 公邦] {朝倉書店}
このサイト作りにあたって、最も数多く参照したのがこの本。
やはり、この本が無かったら、このサイトはできなかったでしょう。
まっとうな数学書なので、ある程度馴染みがないと、読み通すのはたいへんかもしれません。
それでも、数学書の中にあっては、最もコンパクトで見通しが良い本だと思います。
 
◆ 群の発見 (数学、この大きな流れ) [原田 耕一郎] {岩波}
群に正面から取り組んだ、本当に実のある1冊です。
内容は高度ですが、説明は正確ていねいなので、じっくり読み込めば理解できます。
時間をかけて読み込めば、得られるものは大きい。
私にとっては「最も時間をかけて読んだ本」の1つです。
   参考文献(2) -- ガロア理論をとりまく数学全般に関して
◆ すべての人に数学を―対話・現代数学入門 [小針あき宏] {日本評論社}
個人的には一押しの現代数学入門。
『東九条の加茂川の橋の下で、夜中の12時から一般市民向けの反大学自主講座。
これは、バリケードの中で、学生がラーメン屋を始めたなどという、
次元の低い非日常性とは比較にならない、極めつきの、いかがわしさそのものである。
一般市民向けといったって、夜中の12時からでは、誰が聞きにくるのか。何が《自主》なのか。・・・』
 
◆ 不変量とはなにか―現代数学のこころ [今井 淳、中村 博昭、寺尾 宏明] {講談社ブルーバックス}
不変量という観点から、現代数学のこころを横断的に紹介した本。
「不変量」と「対称性」がどのように数学の中に溶け込んでいるのか、雰囲気をつかむには絶好の本。
 
◆ 数学ガール [結城 浩] {ソフトバンクパブリッシング}
シリーズ物の数学小説で、2010/06現在3冊目まで出ています。
内容的に群論と関連があるのは、2冊目の「フェルマーの最終定理」
元祖「数学と萌えの融合」ということで、このリストに挙げました。
   参考文献(3) -- 歴史的な視点から
◆ ガロアの生涯 ― 神々の愛でし人 [レオポルト インフェルト] {日本評論社}
ガロアの生涯を、作者の見解と創作も交えて、ドラマチックに仕上げた本。
ガロアを語るには外せない一冊。
 
◆ ガロアの時代 ガロアの数学〈第1部〉時代篇 [彌永 昌吉] {シュプリンガー数学クラブ}
ガロアの生涯と時代背景を、まじめに客観的にまとめた本。
上のレオポルト本の創作部分を中和する意味で参考にしました。
この本の前半は数学史について割かれています。
知っている人には意味が薄いかもしれませんが、予備知識のない人には役立つと思います。
 
◆ シンメトリー [ヘルマン・ヴァイル/遠山 啓] {紀伊國屋書店}
シンメトリー(対称性)について、数学、芸術、自然、といった広範囲から俯瞰する含蓄の深い本。
世界の根底にはシンメトリーがあるのだという信念のようなものを、この本から感じ取ることができる。
 
◆ 生物の驚異的な形 [エルンスト・ヘッケル/小畠 郁生, 戸田 裕之] {河出書房新社}
有名なヘッケルの画集。「目で見る対称性」ということで、この場に加えてみました。
眺めていて飽きない驚異の画集。
   参考サイト
>> 物理のかぎしっぽ -- 代数学
「物理のかぎしっぽ」は,さまざまなバックグラウンドを持つ メンバー によりつくられている,
物理学と数学とコンピュータの勉強ノートです.
「代数学」の中で、初等台数から群論入門 、ガロア理論入門まで、基礎から親切丁寧に解説されています。
この「物理のかぎしっぽ」の解説なくして、本サイトはできませんでした。
本サイトの不足を補って発展させる内容になっているので、興味のある方は、ぜひ見てください。

>> 代数方程式のはなし(PDF)
大阪大学大学院理学研究科 今野 一宏 先生のテキスト
「3 次方程式や4 次方程式の解法は,16 世紀の昔から根の公式が知られているにもかかわらず,教わる機会はほとんどない.
理学部数学科の学生ならば,3 年次または4 年次の代数学の講義において「ガロア理論」を習う際に,あるいは学習するかも知れない.
しかし,その時にはもっと「洗練された」代数を勉強するのに労力・時間を割かれて,残念ながらほとんど記憶に残らないであろう.
また,5 次以上の代数方程式には根の公式が存在しないという,アーベルの定理についても同様で, それだけを目標にするならわざわざ大仕掛けの道具を振り回す必要などないのだが, どうして公式が不可能なのかを原理的にきちんと理解して卒業する学生は,余り多くないように感じる.
数学を教えて生計を立てている身としては,難しい代数を習って代数アレルギーになる前に, 是非このような事柄をどこかで学習して欲しいと思う」

>> ∫物理・工学のための数学∫ -- 群論は輪っかの理論(PDF)
「群論がどのようなものか少し学んでみようという人には極力少ない文量で多くを述べた」
コンパクトに、要点を突いた良ドキュメント。

>> 数学2 2008年度 -- 同志社大学の講義資料
シンメトリーと「群」から始まって、ガロアの理論(べき根拡大と正規部分群)まで。
この資料は、たいへん参考になりました。
とことん親切に準備されている資料なので、最初から順番に読んでゆけば、
挫折することなくガロア理論までたどり着けると思います。

>> 数学史の自習室 -- 方程式論の歴史(平成14年)(PDF)
歴史に基づき、ラグランジュ、ルフィニ、ガウス、アーベル、ガロアの方程式論を順番に追ってゆく。
少し高度ですが、たいへん実の詰まった内容です。
『定年退職した元数学教師のホームページ「数学史の自習室」』 の中の1記事です。

>> Weekend Mathematics/コロキウム室/テーマ別
数学関連のテーマがいっぱい集まっている「コロキウム室」です。
本サイトのテーマに直接関連するのは、
  33 代数方程式の代数的解法
  34 リングセオリー
  37 ガロア理論の心
順番に読んでゆけば、群・環・体といった現代風の代数学の骨格をたどることができます。

>> 数理研の「大学数学基礎講義」
『数理科学研究会は東大および国公立医学部志望者のための大学受験における
数学・物理学(数学クラスは中1〜高3他,物理クラスは高2・高3他を対象とします)の専門塾です.』
要点がまとまっているので、整理に役立ちました。

   作者の運営サイト
>> ミクの歌って覚える統計入門
VOCALOID 初音ミクの歌のパワーで、統計の基礎を楽しく学んじゃおう。
もうつまらない教科書はいらない!

>> 甦るMaxwellの悪魔
マックスウェルの悪魔 と 熱力学第二法則 は両立する!
熱揺らぎを利用した分子モーター実現の夢に向けて、
何が不可能で、どこまでが実現可能なのか、限界と可能性を探る。

>> はてなブログ:悪魔の妄想
科学をテーマとした雑感、思いつき、妄想などなど。
   WEB素材
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