目標 : 日本一わかりやすいガロア理論を! ■第1話 解けない方程式、愛の前にも不可能はあるの? /*** ・不可能とは何か ・物理の不可能、数学の不可能、計算可能性の不可能 <- これ、いらないような気がする。たいくつな哲学論議は、いまさら聞きたくないもんね。 <- とにかく短く!をモットーに、いきなり割り算から入れ。 ***/ 。。。書いてみてわかった。とにかく短く、短く、余計なことは削らんと。。。 * 割り算を例にとった、体の概念 割り切れれば解ける 割り切れなかったときは・・・ 整数なら解けない 小数なら、ちょっと広がる 分数なら、完全に解ける * 引き算 マイナスの数を入れれば解ける * なぜ複素数の範囲なのか? 「代数学の基本定理」 虚数ってずるくない。 答が無いなら、数の方を増やしちゃえ!っていうのはインチキだよ。 じゃ、二乗して i になる数っていうのは、虚虚数ってやつだよね。 そんでもって、二乗して虚虚数になる数は、虚虚虚数じゃない。 「リンの虚虚数」って名前つけたら、有名になれるかな。 1/√2 + 1/√2i -1/√2 - 1/√2i あっれー?! * それを言ったら、√って記号も新規導入だ。 x^2 = 1 の答が分数で書けなかったんだから。 * Sin, Cos など、特殊関数によって解ける方程式 (例はないものか・・・歴史的な45次方程式とか。) こんな例はどうだろう。 Sin(x) = c /*** こういう初歩的な説明、要るかな? ・・・で、これって私、何すんの? こういうときは、x を c で表せ、ってことだ。 x は不定元、c は定数。 えー、そんなの、どこにも書いてないよー。 ひどいときには、 問題: (x + y) / 2 >= √(x・y) とだけ書いてあるんだもん。 で、何なの。 もう、答わかってるじゃん。 それは、この式が「正しいことをことを証明せよ」ってことだ。 めんどくさがらずに、そのくらい書いておいてほしいよなー。 削れる部分は徹底的に削った姿が、最も美しいと思っている。 マスターがそう言うなら、少し反省しよう。 ***/ あ、でも Sin って普通の式で書き直せるんだよ、知ってた? ほら。。。ってテイラー展開 ついこないだ学校で習ったばっかり。 ・・・いまのが私の、最大限の知識なんだよ、うぅ。。。 *「有限回の操作」によって解けないことを強調。 難しく言えば「代数的ではなく超越的」ということになる。 無限回の操作を許せば、解けるものが変わってくるだろう。 角の三等分だって、無限回ならどんどん近づくことができる。 「不可能である」と証明されている。 ・角の三等分 ・ある立方体の体積の2倍の体積をもつ立方体 ・与えられた円と同じ面積をもつ正方形 「収束作図法」はOKなのか? トマホークなら解ける、というのはどういうことか。 なめらかな円周に無限が含まれている、と見えなくもないだろう。 代数的ではない、超越的な関数を持ってくれば、「解ける」の意味が変わってくる。 コンピューターだったら、無限回の操作を許せば解けたと言っていいのかもしれない。 円周率の「正確な」値は書き出せないが、時間が許せばいくらでも高い精度で答を求める方法が存在する。 この意味で「万能」は無い、と思っている。 無限を許せば、万能になる。 有限であれば、万能は無い。 超越的とか、特殊関数、といったものは、大雑把に言ってしまえば「無限を導入する」ということだ。 特殊関数の中に無限が入っているのだから、それを使えば、有限回の操作で解けなかったものが、解けることになる。 「解ける・解けない」の違いは「有限か・無限か」の違い。。。そんな風に考えたこと、なかったなあ。 でも待てよ、 分数も無限回の操作 √だって無限回の操作だよ。。。 そこんとこ、どうよ。 無限回であっても、方法がわかっていて、任意の精度で求められるものは「解けた」と言えるのではないか。 これを「解ける」の定義としたらどうか。 1.有限回の操作で求められる。 2.無限回の操作であっても、操作回数を増やせば、どこまでも精度が上がる。 答への道が示されている。 マスターと話していると、飽きないな。 私では決して思い付かないようなアイデアを出してくる。 「リンの虚虚数」とかね。 褒めているんだぞ。ユニークな頭脳の持ち主だと。 ■第2話 恋の始まりは二次方程式 ここでは複素数の基礎をたたきこむのがテーマ。 ・二次方程式の対称性 ・解と係数の関係、対称式 ・最も単純な鏡面対称、そして体の対称性。 リンにとっての i が、私にとっての -i だったとしても、全く区別がつかない。 リンにとっての赤が、私にとっての緑だったとしても、全く区別がつかない。 ・複素数についての基礎知識 複素数は掛けると回る 「リンの虚虚虚数」を計算してみるか。 つまり4乗したら1になる数、のことだ。 じゃ、これ。(角度1/8のところ) 他にもあるぞ。一般的には4個出てくる。 ・ x^n = 1 の答、円分多項式 ・代数学の基本定理の証明 だいたいのイメージがつかめてくる。 ・数学上、最も美しい公式 e ^ i π = -1 という不思議な式の意味がわかってくる。 1 ^ i π = -1 って感じじゃないかしら。 どこから e が出てきたんだろう。 e ^ i が何か、ってのは少々イメージし難いかもな。 とりあえず納得させたいのなら、マスターお得意のテイラー展開で片付ける。 しかし、正しくても「押し切られた」ような気持ちになる。 e とは何か? 微分して一致するもの。 グルグル回っているものを、ほんのちょっぴり動かしても、ぴったり重なる。 このイメージが拡張されたもの、と思えばいい。 イメージの話は不確かだから、教科書には載っていない。 私のイメージは、こうして私の口から聞くしかない。 それで納得できるかどうかは、受け手の感性次第だ。 形、イメージ・・・ ・グルグル回るところから、Sin、Cos が出てくる。 ■第3話 ライバル登場、三角関係、じゃなくって三次方程式 (ここは咲とAのターン) ・1つは消せる、ことを入れておこうか。 カルダノ変換 3次の場合: x -> (X-a/3) 4次の場合: x -> (X-a/4) つまり、斜交座標に変換する、ということだ。 ・・・わぁ「形で見える」んだね。 ・三次方程式の解の公式 u + v の立方完成、ストーリーの復習ということで。 ・四次方程式の解の公式 => デカルトの解法、あるいはネットで入手した「岐阜大方式」が最短みたいだ。 でも、最初に2次x2次に分解できるって、わからないじゃない。 それはいい着眼点だ。結果から言えば、できている。 ということは、4次方程式が解けている理由は「2x2に分解できること」なんじゃないかな。 <- 公式を知りたい、という欲求はあるようだ。 <- 明示的に示しておくべきだろう。 <- とにかく一番わかりやすい方法で解く <- 解の入れ替え、といった話題は次に持ち越そう。 ・五次方程式は解けない! という事実。 => ここにおいて、これが最終目標、と明示しよう。 => 「私も若い頃には解けると信じていた」 ■第4話 台所戦争、ここは一歩も譲れない! (ここも咲とAのターンにしようか) ・解の入れ替えというアイデア。 ラグランジュの方法を最短距離で。 ・三次方程式、四次方程式を、解の入れ替えから見直してみる。 -- あとで繰り返しになるので、短く、短く。 ・これだけの知識でも、五次方程式が解けないことがわかる。 => 代数学の話、を参考に、あらすじのみ。 => できるかな? 無理であれば、入れない。 ■第5話 有限体はGの紋章 * Gって、ほんとに出番ないよねー。 なんか、最終目標達成されちゃったし。 歴史の上ではAが先。 Gはそれを知らず、さらに高い視点から解いた。 解けない、という事実自体よりも、そこで培った視点の方が、未来につながった。 * 体の定義、 ・有理数は最小の体、 もち、実数も体だし、複素数も体だ。Q R C ・有限体、法が素数の体は割り算ができる * 拡大体 最も簡単な数体の拡大 Q(√2) 「数の範囲」を細かいステップで刻んでゆく。 Q(√2, √3) Q(√2, √3, i) * 先に、体の空間的イメージを持ってきた方が良い 目的がはっきりする。 複素数体は無限次元! ■第6話 秘密の暗号ラブレター * 体の自己同型写像 a + b -> a* + b* ab -> a*b* となるのは共役の場合だけ。 * 自己同型は、体の形作る空間の対称性と深く関わっている。 * 有理数体 Q は、自分自身以外に同型が無い。 リンにとっての i が、私にとっての -i を思い出せ! リンにとっての√2が、私にとっての -√2 だったとしても、違和感は無いのだ。 * 単拡大、あれ、あれれ? 1個くっつけるだけで、いいの? 「斜めのベクトルをくっつけた感じ」になっている。 ■第7話 それって、ひょっとして、悪いこと? * 前回の「体の自己同型写像」を受けて、 写像の性質に目を向ける。 * 「群」の骨格 逆にこのあたりで、群の定義を出してこよう。 * 部分群とは何か 図形イメージを通じて、ありきたりの説明を入れようか。 * 有限群は表になって、きっちり割り切れる。 => ラグランジュの定理 ■第8話 計算勝負、理想を抱いて溺死しろ! * 準同型定理 表を作って次元を下げる、というお話 この同型は、ガロア対応のために用意されたようなものだ。 * 線型空間と群の対応表を出すとよい 「育ってゆく、方程式」の日曜日に対応表があった。 群 : 線型空間 : 表(有限体、カレンダー) という俯瞰があれば、わかりやすいのでは。 * 群、体、線型空間、、、形となって回り始めた。 ■第9話 めぐりあい友 * 着手の手がかりは「入れ替えても動かない」という性質だ! * 三次方程式で対称性を用いて解く経路と、体の概念を対応させてみよう。 第4話の内容を、もっと詳しく述べたものになる。 リゾルベントを使った二次方程式〜、かぎしっぽに載っていた。 * ガロアのリゾルベントとは 対称式、判別式 ■第10話 黒い月の日の15時間 * ガロア対応 -- 方程式と数体は、1対1に対応する。 着目するのは、方程式の群だった。 * ガロア群 -- 方程式の持つ群を、実例を用いて示す 「育ってゆく、方程式」 土曜日の問題を、実例と共に挙げよう。 ■第11話 Gの生涯 ― 神々の愛でし人 * 可解群についての解説 ・正規 ・素数 の2つの性質を持つ「はしご」がある。 リン はい! *** はい、はい! ・・・どうした、今日はやけに素直だな。 ■第12話 Gの夢 (ここは咲とAのターンにしよう) ・五次の交代群 A5 は可解鎖をもたない ・直感的には正20面体で表現できる。 正20面体の中に、部分群が見出せるかな? ・かぎしっぽの交換子群 すべての人に、にある(i,j,k)の呪い! で証明できる。 ・二次方程式、S2 ⊃ {e} 2 -1/2-> 1 三次方程式、S3 ⊃ A3 ⊃ {e} 6 -1/2-> 3 -1/3-> 1 四次方程式、S4 ⊃ A4 ⊃ H ⊃ K ⊃ {e} 16 -1/2-> 8 -1/2-> 4 -1/2-> 2 -1/2-> 1 H = {1, (1 2)(3 4), (1 3)(2 4), (1 4)(2 3)} K = {1, (1 2)(3 4)} 五次方程式、S5 ⊃ A5 ⊃ /ここが無い/ ⊃ {e} 120 -1/2-> 60 -> STOP! ■第13話 どうしても、伝えておきたいものがある * 群のその後 -- 対談形式で。 最後の1回は細かい数学的な話ではなく、群論がどのように発展していったのか、夢を語る。 集合 -> 写像 という枠組みに組み込まれていった。 相対性理論 -> ローレンツ群 量子力学 -> ユニタリー群 リー群(リーぐん、Lie group)は群構造を持つ可微分多様体 群+微分 => Gの夢 対称性 シンメトリー ネーターの定理 対称性あるところに保存則があり、 保存則あるところに保存量がある。 素粒子 ゲージ対称性、ゲージ不変性 Aは、世界は神様が作ったと信じている。 あまりにも上手くできすぎているから。 私たちは、Aほど神様を信じていないけど、 宇宙は数学的調和で成り立っていることは、感じ取れる。 「神の意志は自然の中に数学という言葉で書かれている」-- ガリレオ A:私にとって、21世紀の知識は、心躍るような発見の連続だ。 紆余曲折があるにせよ、人類がこのように発展していることは、私にとって最大の幸福だ。 21世紀に生まれた君たちは、とても幸せだと思う。 でも、22世紀はもっと驚きに満ちているだろう。 30世紀はもっともっと幸せになっていることだろう。